ブライアンとキース・リチャーズ part23

さて、ひさ~しぶりになってしまいましたが、「ブライアンとキース・リチャーズ part22」の続きです。

このシリーズ、どれだけ時間をかけて書いているんだって感じなのですが、忘れているわけではないのです。

どうも気分がのらなくて……^^;

キースの自伝が出ると聞いたので、それを読めば気持ちが盛り上がるかな~なんて思っていたのですが、
今発売中の「Rolling Stone」12月号 vol.45に、その自伝「ライフ」の抜粋が掲載されていたので、それを読んで思ったことを書きます。

抜粋なので、全体を読んだら感想も変わるのかもしれませんが、物事というのは見る人によって捉え方が違うものだなあというのをあらためて感じました。

ひとつのエピソードでも、見る人によって解釈が変わって、どれが嘘でどれが真実というのではなくて、その人が見たものも真実のひとつであり、その人にとってはそれが絶対的な真実ということなのでしょう。

まずは「JUMPIN’ JACK FLASH」の誕生について。

抜粋によると、キースがミックとレッドランズ(キースが住んでいた屋敷)で明け方まで起きていた時、庭師のジャックが雨の中、長靴で歩き回っている足音が聞こえてきた、
そこから”ジャンピング・ジャック”というフレーズが生まれ、キースがそれに合うリフを探した、と語っているようなのですが、これが真実なのでしょうか?

庭師のジャックのエピソードも実際にあったのかもしれませんが、私は以前、紹介したビルの著書に書かれていた話のほうを信じます。

ここでも紹介しました。↓
「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」の聴き方が変わる本

ここで引用したように、あのリフは、基本的にビルが作ったものなのだと思います。

ビルはこんなことで嘘を書かないと思うのです。

じゃあ、キースが嘘つきなのかっていうと微妙なところですが、雑誌に載っていたのは抜粋なので全部を読んだら違うことが書かれているのかもしれないし、
そうではないにしても、キースにとっては、これが真実っていうことなのかもしれません。

そして、ミックが自分で語っている通り、「JUMPIN’ JACK FLASH」は”私小説的要素の強いものの一つ”であり、
なので、庭師のジャックがジャンプしている様子をただ曲にした、というのではないと思います。

上にリンクしたブログで紹介した通り、もう少し深い意味がある曲なのではないかと。

この点でも、別にキースが嘘つきというわけではなく、キースにとってはこれが真実なのかもしれません。

このブログではブライアンに関する部分を取り上げますが、ブライアンとキースの仲を壊したと言われているアニタとのことについて。

ブライアンとアニタがよく殴り合いの喧嘩をしていたというのは事実だと思います。

アニタって、相手を怒らせることで自分への愛情を確認するっていうところがある女性なのではないでしょうか。

キースに対しても、そんな振る舞いをしてたようなので。

でも、例え挑発されたのだとしても、女性に暴力をふるうのは絶対にいけないことです。

キースはそんな挑発には簡単にのらないタイプで、ブライアンは簡単にのせられてしまうタイプなのでしょう。

以前、書いたこのブログ↓では、アニタ&キースがブライアンを置き去りにしたモロッコでのことを書いています。

Brian`s Birthday♪

運転手だったトム・キーロックは見たまま、感じたままを書いていると思うので、アニタが自分とキースのことを想像させ、挑発して、ブライアンが怒り出した、のは真実なんじゃないかなと思えます。

アニタもブライアンも互いに惹かれるものがあり、別れがたかったのでしょうけれど、キースが言う通り、
「あいつらは破滅に向かって進んでいた」
のも事実だと思います。

見た目はお似合いのカップルでしたが、性格的に合うとは思えず、キースが関係してなくても、結果的に別れることになったのではないかと。

それにしても、別れ方が、ブライアンにとっては大きな痛手になったのでしょうけれど。

そしてキースがブライアンからアニタを奪ったというよりも、アニタがブライアンよりもキースを選んだということなのだと思います。

好きな女性に対しては大らかであろうキースの手にもおえなかったのですから、アニタは魅力的であると同時に、長く一緒に過ごすのが難しい女性なのでしょう。

以前のブログで私は、ブライアンはアニタとキースの仲を疑ってもいなかったのではないかと書いていますが、今回の自伝からの抜粋を読むと、どうやら気づいていたようですね。

というより、ブライアンにはアニタの性格がわかっていたから、キースと二人きりにすると危ないなって思っていたのかもしれません。

人と人って、2人きりでいると、自分と合わない部分を相手の中に見つけても、どうにかうまくやっていこうとするものです。

つまり、売れる前、ブライアンとキース、2人でギターを弾いているしかやることがなかった頃には、相手のいやな部分が見えてもうまくやっていくしかなかった、だって2人しかいないわけですから。

でも売れて世界が広がっていって、そこにいるのが2人だけじゃなくなってくれば、気に入らないところを我慢する必要もなくなってきます。

それでその人との仲が壊れたら、ほかの人と仲良くすればいいのですから。

よって、相手に対する不満も隠す必要がなくなってくる、その不満を口にしているうちに「俺とあいつは合わない」という確信になっていく。

キースのブライアンに対する気持ちって、そんなだったんじゃないかなって思います。

音楽的なこととか、冗談を言い合っている分には気が合ったけれど、どこか偉そうで育ちがいい、そして女性にもてるブライアンに嫉妬交じりの不満を持っていたんじゃないかって。

狭い世界で暮らしていた頃にはその不満を抑えていたけれど、売れて、周りにいる人たちも増えてくると、我慢する必要もなくなってきた。

それでも同じバンドの仲間だからうまくやっていこうとは思ってたけれど、
女性(アニタ)が絡んできて、その気持ちも壊れてしまった。

ミックに対するキースの感情は、実はブライアンに対するものと似ているのかもしれません。

でも、ミックは器用だし、タフだし、何よりも今も生きている。

ブライアンが今も生きていたなら、キースは、
「あいつの××なところが気に食わない」
「あいつとは女を取り合ったこともあった」
「まあ、今ではどうでもいい話になったけどな」
なんて、笑い交じりに話すのかもしれません。

――というのは、ブライアンが生きていたら、の「もしも」のお話。

キースの自叙伝の日本語版が発売されたら、読んでみたいと思います。

その前にこのシリーズの続きを書くかもしれません。あくまでも”しれません”。

コメント

  1. 匿名 より:

    MIND TREEってサイトにブライアンのことが詳しくのってますよ

  2. るか。 より:

    情報ありがとうございます!
    とても読みごたえがありますね。