ここに居場所もないけど、他に行くところもない。

十五夜のお月様どころか、ものすごい風の音です。
大きい被害が出ないようにと、祈るばかりです。

さて、
タイトルにした「ここに居場所もないけど、他に行くところもない」は、
私が想像したブライアンの心境です。

自分がやりたい音楽をやるため、ストーンズを結成したものの、
売れ始めてくると、ストーンズの音楽は商業路線に走っていきます。

「自分がやりたい音楽はこんな音楽ではない」

ブライアンは何度そう思い、ミックやキース、マネージャーのアンドリュー・オールダムと話し合ったことでしょうか。

しかし、ブライアンの意見は通りませんでした。

そういった不満を、ブライアンは親交のあったジョン・レノンにも話したらしいです。

ブライアンはジョンから、
「そんなに不満なら、バンドを離れて、自分でやればいい」
と励まされたりもしたようですが、ブライアンは決して自分からバンドを離れることをしませんでした。

何故、不満を持ちながらも、ブライアンは自分からバンドを辞めなかったのか。

それが、
「ここに居場所もないけど、他に行くところもない」
という心境だったからなのではないかと思うのです。

ここにいても満足感は得られないけど、辞めて他にうつる、また他の場所でゼロから始めることの方がいいとは思えない。

これって、ブライアンではなくても遭遇することのある心境だと思います。

例えば、職場で、家庭で。

職場で、
「望んでいた仕事でもないけど、まあまあ居心地は悪くないし、他にうつるよりも現状維持かな」
とか、
家庭で、
「旦那(女房)とすごく気が合うわけでもないけど、別れて一人になるのもなんだかね……」
とか。

バンドにとどまるなら、そこで少しでもうまくやっていこうと考えていたブライアンの気持ちも感じ取ることが出来ます。

曲作りに参加できないなら、少しでもストーンズの音楽をいいものに色づけていこう、とブライアンは考え、
様々な楽器を演奏し、アレンジを加えました。

何を見ても、何を聴いても、ブライアンの思考は、ストーンズの音楽につながっていたと思います。

バンドのメンバーとも、うまくやっていこうと思っていたのだと思います。

ブライアンとキース・リチャーズ part16」に書きましたが、
作家のスタンリー・ブースに、ブライアンはこう話しています。

**********************

秋も深まるロンドン、テムズ川のほとりなどを、ジョージア・バーグマン、俳優のハワード・ヘッセマン、ブライアンと散歩をしたのは、スタンリー・ブースにとって、忘れられない思い出なのだそうだ。

ブライアンといると、どういうわけか、わたしはくつろいだ気分になった。どちらかと言えば、わたしなんかよりずっと情熱的な、文字通り風変わりなブライアンであったが、わたしはブライアンに安心感を覚えた。その時、わたしは、彼を、ひいては、バンドのメンバー全員を非難するような意見を述べていた。
「大衆がビートルズのことを、四つ頭の怪物、と呼んでいますよね。でも、彼らに対抗するあなた方だって、グループとしてまとまっているかどうかは、疑問でしょう。お互いのことすら何もわかっていないじゃないですか」
ブライアンは、沈む夕陽の下で、ちょっと悲しそうに、くすっと笑った。
「いや、そんなことはないよ。おれは、ミックによく電話しているし、ミック、キース、おれ、三人とも、お互いに話し合ってはいるさ」
みじめな、か弱い若者。彼は、失意に暮れていた。
その哀れな天使に、心からの挽歌を捧げたい。

**********************
ブライアンは不満ばかり言っていたわけではありません。

ブライアンなりに、メンバーともうまくやっていきたかったのです。

でもストーンズにいることへの違和感はどんどん強くなり、
ドラッグ問題で叩かれ、体調も悪くなり、演奏もままならない状態になり、
結局、自分から辞めなくても、ブライアンはクビになってしまいます。

クビになっていなかったら、ブライアンが亡くなった日はストーンズはスタジオにいたので、
プールでの事故には遭わなかった、という考え方もできます。

ブライアンは生きていられたかも、と。

ストーンズに残る道、辞める道、
2つの選択肢。

残る道を選んだブライアンは結局クビになり、亡くなることになりました。

では辞める道を選んだら亡くならなかったのでしょうか?

結局、ストーンズの仲間と一緒にスタジオにいることはなかったでしょうから、
亡くなっていたかもしれません。

ブライアンはブライアンなりに、ベストの選択をし、
その選択した道で、なるべくうまくやっていけるようにしていたのに、
最期の場所はプールの底でした。

……やるせなくなります。

でも、全力で、自分の選んだ道でうまくやろうとしていたブライアンには敬意を捧げたいです。
あなたの人生、素晴らしかったと思います。

というところで、今度ドラマでも使われるそうですが、この曲を聴きましょう。
「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」!!
ブライアンもいます!

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コメント

  1. ちえ より:

    せめて、曲が作れればね…
    そういう才能はなかったのかなぁ~
    ブライアンの当時の心中を察すると、行き場がなかったのはさぞかし辛かろう…
    でも、ローリングストーズとして出発したのは間違っていなかったと思います←ブライアン在籍時代のファンがいるくらいですから(女子だけならアイドルとして目線かもしれませんが、男子もあの時代ファンがいますし)
    その後も、良い曲はありますけどね(*^o^*)

  2. るか。 より:

    ブライアン、
    曲は作っていたのではないでしょうか。
    でも、どんなに作っても相手にされないか、
    曲作りに貢献したとしても、結局ミックとキースが作ったことになってしまうっていうストーンズのシステムだったのだと思っていましたけども。。
    私はブライアン以降のストーンズの曲をほとんど知らないのですが、
    ジャンピンにしても、サティスファクションにしても、
    ストーンズの有名な曲がブライアンがいた頃の曲だっていうのが嬉しかったりします^^