ブライアン・ジョーンズは何故「Child Of The Moon」をA面にしたかったのか?

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします^^!

さて今宵は満月ということもあり、この曲について書いてみようと思います。「Child Of The Moon」

スポンサーリンク

「Child Of The Moon」をA面にしたがっていた発言

「Child Of The Moon」は、「Jumpin’ Jack Flash 」(1968年発表)のB面に収録された曲です。

ビルの著書には、このように述べられています。(以下の引用はすべて、ビルの著書からの引用)

ストーン・アローン―ローリング・ストーンズの真実〈上〉

ストーン・アローン―ローリング・ストーンズの真実〈上〉

ビル ワイマン, レイ コールマン
Amazonの情報を掲載しています
ストーン・アローン―ローリング・ストーンズの真実〈下〉

ストーン・アローン―ローリング・ストーンズの真実〈下〉

ビル ワイマン, レイ コールマン
Amazonの情報を掲載しています

「ストーン・アローン」
ローリング・ストーンズの真実
ビル・ワイマン著

おれたちは田舎で「Child Of The Moon」のプロモーション・フィルムを撮影し、それからマイケル・リンゼイ・ホッグの待つオリンピック・スタジオに戻って、顔にペイントをほどこして「Jumpin’ Jack Flash 」のフィルムを撮った。4人のカメラ・クルーが参加し、マイケルはディレクター料として670ポンドを請求。「Jumpin’ Jack Flash 」と「Child Of The Moon」のプロモーション・フィルムの撮影にかかった費用は2453ポンドに上った。

ちなみにマイケル・リンゼイ・ホッグは有名なテレビ・ディレクターであり、「Jumpin’ Jack Flash 」のプロモーション・フィルムの撮影は革命的なことだったそうだ。(といっても、ビートルズは1967年の「Strawberry Fields Forever」から、ビデオ・クリップを作り始めていた)

そもそも、彼(ブライアン)は、「Child Of The Moon」をニュー・シングルのA面にしたがっていたのだが、結局「Jumpin’ Jack Flash 」の商業路線を受け入れたのだった。

ビルの著書は信ぴょう性が高いと思っているので、ブライアンは「Child Of The Moon」をA面にしたがっていたのだと思われます。

しかし「Jumpin’ Jack Flash 」のすごさに気づいていないわけではないのです。「Jumpin’ Jack Flash 」ができたときに、すごく喜んでいたという証言が残っているので。

では、なぜそれほどまでに「Child Of The Moon」を推したのでしょうか?

「Child Of The Moon」を分析してみる

「Child Of The Moon」のプロモーション・フィルムをみてみましょう。

えーと、歌詞はコチラです↓

The wind blows rain into my face
The sun glows at the end of the highway
Child of the moon, rub your rainy eyes
Oh, child of the moon
Give me a wide-awake crescent-shaped smile

She shivers, by the light she is hidden
She flickers like a lamp lady vision
Child of the moon, rub your rainy eyes
Oh, child of the moon
Give me a wide-awake crescent-shaped smile

The first car on the foggy road riding
The last star for my lady is pining
Oh, child of the moon, bid the sun arise
Oh, child of the moon
Give me a misty day, pearly gray, silver, silky faced,
Wide-awake crescent-shaped smile

私なりに、この歌詞の意味を必死に考えてみました。

男性か女性かはわからないけれど、一人称が出てくる。

そして「She(彼女)」が出てくる。

誰目線の歌なのか? child of the moon(直訳すると”月の子”ですが)とは、なにを指しているのか?

うぅぅぅぅーん、難しかったです!

しかしプロモーション・フィルムをみると、ストーンズのメンバー自体が「月」を表しているような気がします。

「月」自体はいつも変わらないけれど、見る人の状況によって、怖くもなり、優しくも見える月の明かりというようなイメージ。

(少女の)成長を見守る「月」。

その解釈からすると、一人称の私=月、child of the moon(月の子)=人間(プロモーション・フィルムでいうと、成長していく女性)ということでしょうか。

月目線だから、 crescent-shaped smile(三日月形の笑顔)という、月目線ならではの表現になるのかも。

うーーん、難しい。正直、わからないです。

でも、ストーンズのメンバーが「月」の演技していると考えると、出演者の女性の表情、ミックの微妙な演技も納得いきますね。

月を見上げる人間に対して、「月」はフレンドリーになったり、無視されてショックを受けたりしているのかもしれません。

着目すべきは、音や曲の完成度

歌詞が表現する世界について考えていたのですが、ブライアンが重要視していたのは歌詞というより、曲の完成度についてなのではないかと思えました。

ブライアンは、もしストーンズのニュー・アルバムにエレクトロニクスの実験的なサウンドを入れる余地がないのなら、別々に活動したいといっていた。

うわっ。

結果的にブライアンはクビになりましたが、やはり、それより前に、ブライアンの気持ちのほうがストーンズの音楽から離れていったのですね。ストーンズには愛着はあったけれど、ストーンズがやる音楽には納得いっていなかった。

いち早く、今までのままではダメだ。変わって行かなくちゃと感じていたのかもしれません。

音に対して、こだわりを持つブライアンが推していたのが「Jumpin’ Jack Flash 」よりも「Child Of The Moon」ということは、この曲は評価されている以上に高レベルなのでしょう。

「B面にしておくのはもったいない」というような意見はあっても、深く解説されている記述を見つけられません。

「Child Of The Moon」では、ブライアンはサックスを演奏しています。

力強いけれど繊細なブライアンのサックスを堪能できる作品であることは、間違いありません。