ブライアンの口笛♪

ブライアンがヴォーカルに参加している曲といえば「Walking The Dog」ですが、途中で入るいい感じの口笛は誰が吹いているんだろうなって思っていました。

この曲の口パク映像を観ても、誰も口笛を吹いている様子ではないし。

その答えは、ビルの著書の中にありました。

ミックに次ぐストーンズの二番手をキースにしようと思ったアンドリューが、1965年までに、キースが歌うように仕向けるまで、ブライアンとビルがバックコーラスをやり、キースは歌ってはいなかった。

はじめの頃はブライアンとおれがバックを歌っていた。キースは歌えなかったからだ。彼は今でも歌うのはしっくりこない。おれは恥ずかしがりやで、できれば歌いたくなかったので、ヴォーカルの仕事は進んでやらなかったが、ブライアンは楽しんでいた。彼はミックと一緒に<Walkin’ The Dog>を歌い、口笛を吹いた。それから、<Time Is On My Side>や初期の歌の多くはブライアンとおれがミックのバッグ・ヴォーカルをやった。

うわ~、あの口笛はブライアンだったんですね!

口パク映像では吹いている感じじゃなかったのに。

「Walking The Dog」を聴くのが、更に楽しくなりそう!
(ブライアンの真似して、久しぶりに口笛を吹いてみようと思いましたが、ピーとも鳴らすことが出来ない私…;)

それに、この引用文によると、<Time Is On My Side>もブライアンは(バック)ヴォーカルで参加していたんですね。

演奏している映像を観る限り、ブライアンは全然歌っていないのに。
またビルは次のようにも書いています。

彼(ブライアン)が曲を書こうとすると却下された。――不公平きわまりなかった。というのも、「これはよくないから、もうちょっと努力してみよう」とかいうのではなく、即座に「おまえに作曲なんかできないよ!」とくるのだから。スタジオでみんなで作る曲を別にすれば、ミックとキースだけが作曲する機会を与えられ奨励されていた。

~中略~

曲のうちの数曲は、その成り立ちからして、ミックとキースの名だけがクレジットされるのは不公平だと思うものもある。スタジオでいろいろと試しているとき、ブライアンとおれが考えたリフや提案がそのまま採用され、曲の重要な部分になったりすることもあった。

一方、ブライアンの曲作りに対して、キースは「According to The Rolling Stones」の中で、次のように発言しています。

ブライアンが自分がミックとキースのおまけに過ぎないと悩んでいる様子なのに気づいて、

「そんなことで悩んでるなら、自分で曲を作るしかないだろう」っていってやったよ。
でも、ブライアンは作曲は得意じゃなかった。それに自分一人で作るのは特に難しいからね。俺も一人だけで作ったことはあまりないよ。ミックや他の人間とお互いのアイディアをぶつけ合うのが作曲の楽しみなんだ。自分のアイディアだけじゃ半分もできないさ。

自分のアイディアだけじゃ半分もできないのに、作曲者としてクレジットされるのはどうなのでしょう?

大体できていて、残り少しの部分を他の人たちとアイディアを出しあって完成させるというのなら、まだしも。

他のメンバーが認めているのなら(認めざるを得なかったというか)、それでOKってことでしょうか。

ブライアンは作曲ができなかったというよりも(映画音楽も手がけているのだから、作曲できなかったわけはないのですが)、ストーンズ内では”作曲できるような雰囲気じゃなかった”というのが正しいような気がします。

そういえばブライアンが作曲したと言われる「Hear It」。

以前、CDを聴いていたら、いきなりメロディーが流れてきて、曲のリストの中に「Hear It」はなかったのにどうして?と思って、曲名を確かめたら「If You Let Me」となっていて、これは「Hear It」の別名?などと書きましたが、この2曲は全く別の曲ですね。(今頃気づくなって感じですが^^;)

「If You Let Me」は、アルバム「メタモーフォシス」に入っている曲でした;

CDの曲名が間違っていたというだけだったのでしょう。(ブートだし)

ちなみに「If You Let Me」は、アルバム「BETWEEN THE BUTTONS」のレコーディングセッションで完成したうち、LPに収録されなかった1曲だということです。

「Hear It」が入っているアルバムを数枚持っていますが、そのうちの一枚はアンドリューとキースのクレジットになっています。これは一体……;

話は変わりますが、続けてビルの著書から。

おれたちはみな、メンバー個人よりもローリング・ストーンズをはるかに愛していた。どんな緊張状態にあろうとも、ショウを続けなくてはならないという大前提があった。家族や家庭の問題よりも、バンドが最優先だった。おれたちみんなの考え方は同じだった。恋人はたくさんいる。もし何か問題があるなら、恋人を変えろ。しかし、バンドを危険にさらすな。代わりはないのだから。

~中略~

おれたちは、ストーンズというユニットが生き残れるようにと願っていた。音楽的にはうまく行っていたからだ。だからブライアンも長いことストーンズにとどまっていたのだ。

「問題があるなら、恋人を変えろ。代わりはいくらでもいる」
かあ。

先日、リンダ(ローレンス)のブログで書いた2人の別れも、ちょうどこの時期に重なったのでしょう。

ストーンズのイメージを保つためには「アットホームなパパ」ではいけなかったのでしょうね。

とはいえ、前も書きましたが、ビルもチャーリーも妻帯者だったのにー。