アルバム「山羊の頭のスープ」に収録されている『悲しみのアンジー』。
DVDの中で歌われていて、夜中に聴きながら感動して、あらためて歌詞を見て、思わず涙でした。
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山羊=ブライアン?
アルバム「山羊の頭のスープ」といえば、「ブライアンとミック・ジャガー part11」で、
「アルバム・ジャケットには山羊を生贄にして生き延びたストーンズのイメージが象徴的に描かれていた。
かつて、ブライアンはモロッコで食べた山羊に自分を投影し、ペット用の山羊も飼っていた。」
と、まるで<ブライアン=山羊>で、ストーンズはそれを犠牲にして生き延びたというイメージのアルバム・ジャケットであるというようなことを、サラリと書き流しましたが、実は書きながらショックだったのです。
もちろんこれは、私が想像して書いたことではありません。
キースとも親交があったというスタンリー・ブースの著書に書かれていたことです。(彼はストーンズ本「悪魔と踊れ」も書いています)
そんなイメージをアルバム・ジャケットに使うなんて、一体どういう神経?
と思ったし、
またもし本当に、そういう意味でこのアルバムを作ったのだとしたら、彼らはブライアンのことをすっごく引きずってるんだな、とも思いました。
「山羊の頭のスープ」は1973年リリースなので。
でも「山羊の頭のスープ」(goat’s head soup)っていうのは、実際にジャマイカのスープにあるのだそうです。
レシピを見たら、文字通り、山羊の頭を煮込むようで……;
そしてこのアルバムのレコーディングがジャマイカのキングストンのダイナミック・スタジオでの録音だったということで、このアルバム名はブライアンから考えた、というよりも、ジャマイカで録音したから、という説のほうが本当らしく感じられます。
それにしても、他にもジャマイカのスープはあるだろうに、何故「山羊の頭のスープ」なのか、何故スタンリー・ブースは誤解するようなことを書いたのか、という疑問は残りますが。
悲しみのアンジーの訳詞
さて、思わず涙した「悲しみのアンジー」の歌詞(の訳)をご紹介しましょう。
ANGIE
アンジー アンジー
あの雲はいつになったらなくなるのだろう?
アンジー アンジー
俺たちは一体これからどこへ行くのだろう?
心に愛もなく
ポケットには金もない
俺たちに不満はないなんて言えないけれど
アンジー アンジー
少なくとも俺たちは 精一杯頑張ってきた
アンジー 君はきれいだ
でもそろそろ別れた方がいいね
アンジー まだ君を愛している
二人で泣いたあの夜を覚えているかい
二人で分かち合った夢は全部
残らず煙と消えてしまった
君の耳元で囁かせてくれ
アンジー アンジー
俺たちは一体これからどこへ行くんだろう?
アンジー 泣かないで
君のキスは今でも甘い
君の瞳に映る悲しみを見るのがつらい
でもアンジー アンジー
もうそろそろ別れるときが来たんじゃないか?
心に愛もなく
ポケットには金もなく
これで満足しているなんて言えないけれど
でもアンジー 今でも君を愛している
どこに行っても君の瞳を思い出す
この世に君と比較できる女なんていやしない
だから ベイビー, 涙をふくんだ
アンジー アンジー
生きているって素晴らしいと思わないか?
アンジー アンジー
少なくとも俺たちは精一杯頑張った
「悲しみのアンジー」のモデルは?
絶対これ、モデルがいるでしょ! 誰かを思いながら書いたでしょ! って思いました。
デヴィッド・ボウイの元奥さんがモデルだとか、実はデヴィッド・ボウイ自身がモデルだったとかいう説がありますが、真相はどうなのでしょう?
デヴィッド・ボウイの元奥さんがモデルだとすると名前が「アンジー」なので、”まんま”なのですが。
そこまでストレートな歌詞を書くでしょうか?
これは切ない別れの歌ですよね。
で、私が気になったのは、
「生きているって素晴らしいと思わないか?(ain’t it good to be alive)」
というフレーズ。
ミックとデヴィッド・ボウイやその元奥さんの間になにがあったのかは詳しく把握していないのですが、ミックがイメージしたモデルとして、私が知る中でピッタリだと思うのは、マリアンヌ・フェイスフルです。
マリアンヌ・フェイスフル
マリアンヌはミックが隣に眠るベッドで自殺未遂をしました。
自分の横で、恋人が自殺未遂をしたっていうのって、普通に考えて、ものすごく衝撃的なことですよね。
しかもブライアンの死の直後です。
”未遂”で済んでよかったですが、この時ミックが映画の撮影を続行したのも、すごい精神力だと思います。
マリアンヌはしばらく昏睡状態だったのですから。
ミックのホロスコープには感情の星座(かに座、さそり座、うお座)に星がひとつも入っていなくて、だから感情に流されないタイプなのだ、というのを読んだことがあります。
感情に流されない性格が、ミックを救ってきたのかもしれないですね。
マリアンヌとミック
話を元に戻しますが、この歌詞のモデルがマリアンヌだと考えると、私の中ではピッタリなんです。
二人で泣いた夜もあったのだろうし、たくさんの夢を一緒にみていた……、でも別れのときがきてしまった。
「生きているって素晴らしいこと」だから、もう死のうなんて思わないでくれ、(別れてしまったけれど)二人はがんばってきたよね。
(アンジー/Angieという響きはエンジェル/Angelとも似ていますし。マリアンヌは天使的なイメージかな、と)
だけど「悲しみのアンジー」リリースの頃には、ミックは既にビアンカと結婚していました。
マリアンヌと別れてから数年経っていたはずで(実際に歌詞を書いたのはいつだったのか、マリアンヌと別れた後、会う機会があったのかはわかりませんが)、このモデルがマリアンヌだとすると、「ミック、随分引きずっていたのね」っていうことになってしまいます。
ブライアンとあまり関係ない話題じゃないかーって感じですが、ちょっとだけ「もしかしてモデルはブライアン?」とも思ったのです。
でも女性がモデルだと考える方が自然でしょう、ね。
と言いながら、デヴィッド・ボウイ(♂)がモデル?
さて、真相は如何に――
マリアンヌのことは、シリーズで書いています!
コメント
歌詞を読んで、僕もマリアンヌだと思いました。
あと、三原純のマンガ「はみだしっこ」(知ってるかな?)に出てくる「アンジー」も思い出しましたよ。「はみだしっこ」のアンジーは、ミック自身のイメージに思えましたが。ブロンドの髪を伸ばし始めたとき、「女になって、自分を生み直すの」なんて、言ってましたっけ。
マリアンヌがモデルだったら、ステキですよね。
どこかでこの曲のモデルについて、ミック自身が語ってないかしら・・・
三原さんの「はみだしっ子」!
懐かしい! 好きでしたよー。しかも私はアンジー派でした!
はみだしっ子のアンジーこそ、アンジェ(フランス語の天使)からきてるんですよねー
それでハッと気付いたのですが、アンジーっていつもフリルの服着ていたりして、お洒落で、負けん気が強くて、繊細なところもあって――イメージがブライアンに似てるー!!
私って子供の頃からこの手のタイプが好きだったのね……、人間って変わらないものなんだな~なんて思いました。
あっ、でも確かにミックのイメージもあるかもですね。
アハハ。
るかさんとは年代近いかも!
そういわれてみると、ブライアンのイメージの方がより近いですね。
僕がブライアンのことを意識したのはごく最近ですから…
ということは! やっぱり、ミックとブライアンは似てるんだ。
あらためて歌詞を読むと、アンジーのモデルはブライアンのような気がしてきました。
ウーム。
ブライアンとマリアンヌはどこか似ているようなところがありますからね~
マリアンヌが髪の毛をバッサリ切ったとき、ブライアンにそっくりになった、なんて記述もあるくらいで。
見た目というより、持っている雰囲気が似ているようにも思えますし。感受性が鋭くて、快楽主義者、みたいな。
はみだしっ子、懐かしすぎて、ひとブログ書けそうな気になってきました。笑
(特に子供の頃のアンジーは、ブライアンと髪型も似ているような)
それと「悲しみのアンジー」はCDで音だけ聴くより、ミックが歌っている表情をみながら聴いた方が、何故かグッときます。
この曲はどことなく「ホテルカリフォルニア(イーグルスのヒット曲)」に似ていませんか
クッキーモンスターさん
コメントありがとうございます!
あっ、確かに。
ちょっと似ている気がしますね。