ブライアンが作る予定だった映画

以前、「Charlie Is My Darling」の中でブライアンが、
「映画を作ることに興味があり、今やっている」
と話していて、
「どういう映画だったのだろう?」
と思っていたのですが、その映画のことについて書かれている文章を発見!

パラパラと読み直していた「ブライアン・ジョーンズ 孤独な反逆者の肖像」。

アニタと本格的に付き合い始める前、1965年の末にかけて、ブライアンはフランスの映画スター、ズズという女性に会うようになっていた。彼女は『午後のクローイ』という作品でスターになったのだそうだ。

彼女は英語がほとんど話せず、ブライアンはフランス語が話せなかったため、2人が話すのにはとても時間がかかった。

ことばの障害が少なくなってきてからは、ブライアンとズズは一緒に映画を作ることを話し合った。1人の男と1人の女が、間に橋のかかっている向かいあった2つの海岸を歩いていく。その2人は橋を渡ってきてその上で出会い、おたがいの目を見つめ恋をするのである。男と女は違うことばをしゃべる。2人はおたがいの言っていることがわからない。それでも2人は一緒に暮すよう努力し、最後には塔の上に住むようになるという話であった。

「Charlie Is My Darling」の中で、ブライアンが話している映画の内容と共通していることもあり、ブライアンが作ろうとしていた映画とは、ズズと作ろうと話していたこの映画だと思って間違いないでしょう。

ズズは、「ブライアンのイマジネーションや音楽に対する情熱が好きだった」と語りながらも、付き合っていたとき、ブライアンは不安定であったという発言をしている。

「彼はいつも私に助けを求めていたわ――いつだってよ。彼は常に何事もはっきりさせようとすごく努力していたわ。彼はほかの人を押しまくって何かをやろうとするようなひどい人間ではなかったわ。彼はむしろ落ち込んで、私に助けを求めて来るくらいだったのよ」

ズズは次第に、自分がブライアンにどうしてあげたらいいのかわからなくなってしまったという。

ズズがパリに帰ってしまった後、1965年9月に既に出会っていたアニタとブライアンの付き合いが本格的になっていった。

ビルの「ストーン・アローン」より引用

(1966年)5月のはじめ、ブライアンとアニタの仲がいよいよ本格的になってきた。ブライアンのフランス人のガールフレンド、ズズがパリに帰ってしまい、一方アニタはモデルの仕事でロンドンに滞在していて、ブライアンの自宅に毎晩電話を入れていた。「その頃から、おれたちは真剣に付き合うようになった」とブライアンは告白した。「本気で彼女を好きになりはじめている自分に気がついたんだ」 ブライアンの誘いを受け、アニタは彼のフラットに引っ越してきた。

このへんのところが、ビルの著書と「孤独な反逆者の肖像」に書かれているのとはちょっと違います。

「孤独な反逆者の肖像」の方では、アニタがブライアンのアパートに行っていいかとたずねて、ブライアンはその時、ひどくストーンしていて「もちろんだよ、ああ……おいでよ」と答えたことになっています。

まあ、どちらが誘ったにしろ、ブライアンがアニタに強く惹かれていたのは間違いないようです。

そして、その頃のブライアンがひどい状態だったということも。

アニタと別れることになってしまったモロッコ事件は1967年のブライアンの誕生日(2月28日)前後なので、本格的に付き合うようになってから1年にもなっていなかったのですね。

なんとなく、2人はもっと長く付き合っていたようなイメージがありましたが。

私は数ヶ月の間、ブライアンのことを知りたいという衝動から、いろいろなものを読んだり見たりしてきましたが、ブライアンが世間一般に知られているイメージとは違う気がしてきています。

そのことは、また後日、書きたいと思います。

それにしても、ブライアンが作ろうとしていた映画が(たぶん)撮影されることもなかったのは残念です。

モチーフとしてはおもしろそうなのに。

機会があればですが、このモチーフに私が脚色をして、なにかひとつの作品にする、なんてこと、やってみてもいいかしら、ブライアン?(と、何気なく呼びかけてみる)

怒られるかな?

もしも、いいアイディアが思いついたらの話ですよ。今のところ、なにも思いつかないし;

コメント

  1. はにわ より:

    こんにちはー☆
    ブライアンが考えていた映画、現実になって欲しかったですね~。
    ブライアンは詞が繊細だから、映像も繊細な気がしますw

  2. るか。 より:

    はにわさん、こんばんは~♪
    なんとなくフランス映画のようなイメージがあります。あ、一緒に考えていたのがフランス人の彼女だったからかも。
    それでモノクロの、オシャレな感じ。
    きっと繊細で優しい映像になったでしょうね。
    BGMはブライアンが奏でる音楽で。
    あああー、考えていると、余計観たくなってきましたー。