大切な人の力になってあげられない

ブライアンがコッチフォードに住み始め、
ストーンズをクビになった頃、
ミックはアレクシス・コーナーに、
「ブライアンの力になってあげて欲しい。俺たちじゃ、もうダメなんだ」
と頼んだという。

アレクシス・コーナーはブライアンの屋敷に通い、話し相手などになっていたけれど、
プールでの事故があった日には行っていなかった。

ミックが本当にブライアンのことを気にかけていたならクビにしなければよかったじゃないか、
とか、
結果的には追悼コンサートになってしまったハイドパークに、クビにしたブライアンを呼んで演奏させようとしていたのはひどい話じゃないか、
という意見もあるかもしれませんが、
ブライアンがクビになったのは、
それはもう、外部の人間にはわからないメンバー間での心理があったのだろうし、
ハイドパークに呼んだのだって、嫌味のつもりではなくて、むしろブライアンのことを気にかけていた結果なのではないかと、勘違いかもしれませんが、私はそう感じている。

それにしても、
上手くやっていた時もあった、大切な仲間だった、
だから辛いときには力になってあげたい、
なのに、
「自分ではダメだ。(力になりたいけれど)力になってあげられない」
と感じてしまうというのは、なんて寂しいことだろう。

ミックにこういう温かい気持ちがあったのならば、
時間がもう少しあれば、
形は変わっても、またブライアンといい関係を築きなおせたのではないかと思う。

時間さえ、もう少しあれば。

――逆に考えると、
時間はまだまだあるだなんて安心していてはいけないってことかなとも思う。

平和で穏やかな明日が来るのは、
当たり前のことではないのだから。

ドラッグに溺れる仲間たちに向けて、ミックからのメッセージと言われている
「You can’t always get what you want」

欲しいものが必ず手に入るとは限らない
でも努力すれば時には 必要なものを手に入れられるかもしれないね

コメント

  1. ツナ より:

    ブライアンってなんでそんなに自分を確立する力が弱くなってしまったんでしょうか?
    バンド創設からデビュー間も無くくらいまではかなり勢力的に活躍して目立つメンバーでいたんですよね?
    なんといっても初代リーダー。
    ドラッグも一因だろうし、アニタも一因でしょうが…。
    メンバーで一番と言っても良いくらい、音楽を愛していた彼が若くして亡くなったのは悲しいですね。
    今生きていたら、もっと自分に強かったら、ミュージックファンに愛される憧れのスターになっていたかもしれないですよね。

  2. るか。 より:

    ツナさん
    コメントありがとうございます。
    私はブライアンが弱くなってしまった大きな原因として
    彼の体力のなさがあげられると思ってます。
    この記事でも書いているのですが↓
    http://moon999.way-nifty.com/blog/2006/11/post_d57a.html
    バンドを売るために奔走したのに、
    いざバンドが売れるようになったら、
    ハードなスケジュールに身体がついていかなかった。。
    発作への不安や恐怖を振り払うために
    ドラッグやアルコールが必要だった。
    でもドラッグでは世間から叩かれることになり、
    アルコールはブライアンの体調をより悪くしていった。
    メンバーに弱音は吐きづらく、
    でも一緒にいればブライアンがきつそうなのは明らかで、
    クビにしたのは、もしかしたら、きつい状況からブライアンを救うためだったのかもしれません。
    まさかその後すぐブライアンが亡くなってしまうなんて思っていなかっただろうし、
    なので、ブライアンがもう少し長生きしていれば、
    いい友人関係を取り戻せたのではないかなって思うのです。
    あの頃はいろいろあったよな~、なんて笑って話し合えるような。

  3. ツナ より:

    るかさん。コメント返信ありがとうございます。
    過去の記事読んだんですがブライアンって頭良いですね。笑
    ブライアンって精神的に弱くなりましたよね。
    ブライアンにとってアンドリューって非常に除け者だったと思うんです。
    ブライアンの作りたかった理想のバンドとアンドリューが作り上げたバンドは大きく違うはず。
    アンドリューが作り上げたステージで演奏する事に違和感、不快感があったと思うんです。
    純粋なブルース、敬愛するミュージックをやれないことが辛かったんだろうなぁと。
    ただかつての仲間とは離れたくなかったんだろうなぁと…憶測ですが。
    にしてもYou can't always get what you wantってミックは結構大人びたこと言うっていうか笑
    ミックって頭良いんだけど、良い人なんだけど、どっか抜けてそうなイメージあります笑

  4. るか。 より:

    ツナさん
    コメントありがとうございます。
    どこか抜けてるところがミックの魅力なのかなって思います(笑)
    だから愛されて、ずっと活躍出来てきたのかなって。
    ブライアンがアンドリューを受け入れた理由、
    私なりの解釈は以前、ここ↓でも書いたのですが(中盤くらいのところ)、
    http://moon999.way-nifty.com/blog/2010/01/post-01f2.html
    自分なりに必死に売り込んだけれど売れなくて、
    「音楽的には間違っていないはずなのに売れないのはやり方が悪いからだ」
    とブライアンは気付き、
    商才があるアンドリューを受け入れることを承諾した、ってことかなあって思うのです。
    確かに売れたけれど、
    ブライアンの考えていた路線からはズレてしまったのでしょうね。
    自分を押し通すことを抑えてストーンズの音楽に貢献していくことにしたブライアンはとても頭が良かった人だと思います。
    きっとストーンズの音楽を良くしていくことで、頭がいっぱいだったのだと思います。

  5. ツナ より:

    るかさんの解釈は素晴らしいですね。
    アンドリューとブライアンの解釈はその通りだと思います。
    キースは今でもブライアンが気に食わないんでしょうか。
    キースのブライアンへの中傷を聞くと、とても悲しくなります。

  6. るか。 より:

    ツナさん
    コメントありがとうございます。
    これも私の勝手な解釈で、
    前にも書いたのですが、
    ミックの友情は”恋愛”に近い感じ、
    キースの友情は”家族的”なのだと思うのです。
    キースにとってブライアンは、
    時には楽しい身内、
    時には頼りになる身内、
    そして時には世話がやける、どーしょうもない身内、
    だったのかなって。
    キースは温かい人柄だと思います。
    キースのような性格の人が、
    死人に鞭打つようなことをするわけがないと思うんです。
    するとしたら(現にブライアンを悪く言ったりしていますが)

    それには絶対理由があるはずです。
    私なりに思うことを近々、記事にできたらと思っています。
    少しだけ触れると、
    ブライアンを忘れないため、
    ミックを守るため、
    自ら十字架を背負っていく覚悟をしているため。