「A DEGREE OF MURDER」 part2

以前、ブライアン・ジョーンズが映画音楽を担当したという「「A DEGREE OF MURDER」の音源(CD)を入手した!」っていう話を書いたのですが(コチラ)、今回、字幕入りDVDが発売されているということで、それを購入した。

最初は「別に映画自体には興味ないし、アニタは綺麗だと思うけど、別に映画観たいほどじゃないな~」と思っていたのですが、なんとなく「きっとブライアンは自分が音楽を手がけたこの作品を、多くのファンに観てほしいと思っているだろう」と勝手な思い込みの末に(笑)、買ってみることにしました。

結果的に、買って正解でした!

音楽だけはCDで聴いたことがあったのですが(といっても、台詞がかぶってるCD)、それが映像と一緒になると、いかにブライアンの音楽が映画をひきたてているのか、すごーくよくわかりました。

映画音楽っていうのは、やはりその映画をよりひきたてるためにあるものだと思うので、そういった意味ではブライアンはやっぱりセンスがある!と思いました。

この映画は1967年のカンヌ映画祭に出品され、その映画祭(5月)にキースとアニタはフランスのパリからカンヌに向かい、ブライアンもカンヌに映画を観るために向かったそうだ。

既にモロッコ置き去り事件後のこの時、ブライアンはキースとアニタと同じホテルにチェックインし、アニタとよりを戻す最後の試みをしたが、結局、ブライアンはアニタの心を変えさせることは出来ず、映画のプレミアが終わるとひとりでロンドンに帰った。キースとアニタはその後数日カンヌに残った、そうだ。

このDVDジャケットの写真の中に、たぶん映画祭の時に3人が並んで写っているのがあるのですが(ブライアン、アニタ、あともう一人は監督かな?)、ブライアンとアニタの間の距離が物悲しい感じで、この時の2人の状況を表しているような気がする。

映画自体はですね、
冒頭のアニタが恋人と喧嘩をする場面では、ブライアンともこんなふうだったのかも、なんて思ってしまいました。

また映画の中に、
「おれは個性派なんでね。人と違ったことをするのが好きなんだ」
「ええ、そうよね。夢を追いかけるのも悪くないわ。作曲家なんて向いてるんじゃない?」
なんて台詞があり、
これって、なにか意識して作ったのだろうか、と思っちゃいました。偶然でしょうか。

あと、アニタが髪型までブライアンにそっくりです。

映画撮影時は、まだお付き合い中だったんですもんね。

内容のほうなんですが、これがまた~……
雰囲気はある映画だとは思うのですが、なんとなく……、浅い気がしました。

**この先ネタバレありです。これから映画を楽しみたいかたはご覧にならないでください**
主人公(アニタ)のキャラがわけわからないというか。

恋人を殺してしまい、死体を隠そうとするんですね。

1人では出来ないから、街で出逢った男に協力を頼むのですが、これが不自然というか、いきなり初めて会った人に、その場で自分が人殺しであることを告白するでしょうか?

その男は死体隠しに協力してくれることになり、自分1人じゃ無理だからってもう1人の男に頼み、その男も協力することになります。

どうして、こんなに簡単に協力してくれるのでしょう? 単にお金のため?

アニタに協力したくなるような魅力があるから? でも、映画の中ではそれほどの魔性の女って感じが描かれていないんですよね。

アニタはところどころで、自分が殺してしまった恋人のことを思い、涙を流します。

そんなシーンが繰り返し出てきて、「なんなの、この人」って思ってしまいました。

恋人(っていうか、もう別れ話が出てたので、元恋人?)のことが別れ話は出ていたとはいえ、好きだった、楽しい時もあったから。そんな恋人を誤って殺してしまった、悪いとは思うけど捕まりたくない、死体を隠さなければ……、という葛藤があるのだとは思うのですが、それがイマイチ観ていて納得できない、よく描かれていない。

なので、
「この人、悪いと思ってるの? それとも罪悪感なんて持たない人なの? 失った日々を思い、感傷にひたっているだけ? なんなんだか、わけわかんない」
ってなっちゃうのです。

途中で、
「あ、『俺たちに明日はない』ってこんな感じだっけ? そういう展開なのかな?」
とも思ったのですが、それほどの緊迫感もなかったですし。

とりあえず、何度も繰り返し観たいという映画ではなかったです。

ただひとつ、ブライアンの音楽は映画のシーンひとつひとつを見事にひきたてていました。

ファンなら一見の価値はあり、というところでしょうか。

**ネタバレおわり**

あらためて、ブライアンの音楽的なセンスは素晴らしいと思いました。

もっともっとたくさんの映画音楽を手がけて欲しかったです。

このDVDには音楽のところだけを抜き出したCDがついていたのですが、前に買ったCDとそれほど変わりない感じです。

相変わらず台詞はかぶってますし。

でも、こちらのほうが少し聴きやすいかも、です。

ジミヘンと一緒に演奏している「リトル・ワン」もおまけ?で入ってます。

私としては、同じ曲ならブライアンのボーカルも入っているGODSTARの中の「OVER PAINTED SMILES」のほうがいいかなあ。

音楽だけなのも素敵ですけど。

→その後、ブライアンがボーカルではない疑惑が浮上。コチラ

話は変わりますが、先日iPodでほとんど再生していなかった「Sittin’ On A Fence」が流れてきた途端、
「うっ、これはすごくブライアンだ!」
と思いました。

この曲ではブライアンはハープシコードを演奏しているそうです。
メロディアスでとても綺麗な曲です。(ブライアンが作曲したのかと思っちゃいました)

コメント

  1. Blues より:

    るかさんはじめまして。Bluesといいます。
    A DEGREE OF MURDERの記事を読ませて頂きました。
    ほぼ同じ時期に紫ジャケと今回のDVDを自分も入手しているもので、なんとなく同士だとも思いました。
    又遊びに来ます。

  2. トシ より:

    こんばんは。
    「A DEGREE OF MURDER」はCDずっと前に持ってたんですが、音が悪くあまり聴いてません。DVD出てるのは最近ストーンズのサイトで知りましたが、買おうかな?
    でも最近こういうのが売ってる通販の店あまり知らないんですよね。
    昔は結構知ってましたが、ブルームーンとか。
    自分も映画自体はあまり興味無いですね。アニタも別に好きじゃないし、アニタってそんなに良いかな?(ブライアンごめん。)
    でもるかさんが買って良かったと言う事で自分も何か欲しくなりました。DVD売ってる通販出来る店探さないと。
    「25×5」DVD化されないのホント不思議ですよね。ビデオ無くなるのも困るな~ストーンズ関係はビデオがほとんどなんで。DVDはブライアン期は二枚しか持ってません。
    以前最初はベータのビデオばかり持ってたんですよねそれから
    VHSに乗り換えたんですが、結構長い間ベータで頑張ってたんでVHSのビデオまた買わないといけないんで大変でした。ベータのビデオ全部捨てたんですよ。もう見れないと思い。
    そう言えばブライアンの子供が出てくるベータのビデオ持ってましたが、それまた見たいな~
    67年のライヴも少し入ってましたよ。確かタイトルがファースト20イヤーズだったと思います。これ今もあるかな。
    ブライアンのボーカルが入ってるGODSTARの中の「OVER PAINTED SMILES」自分も聴きました。初めて聴いた時ブライアンいい声してるな~と思ってたんですが、これ聴いた妻が昔のスパイダーズの頃の堺正章が歌ってるのかと思ったと言ってました。(笑)
    ひどいと思いませんか?堺正章とは、もうゆるさん!!
    「シッティン オン ア フェンス」いい曲ですよね。これブライアンが作曲したかもしれないですよ。ルビーチューズデイはブライアンが作曲したみたいだしこの曲もそうじゃないかな?
    他にもアンダーマイサムとか黒く塗れもブライアン作のような気がします。ブライアン作の曲以外にいっぱいあるのかも知れないですよ。ミックは作曲の才能ゼロとか言ってましたが、作曲してるじゃないかと言いたくなります。
    るかさんの名前聞いたときスザンヌ ベガの曲ルカが浮かんだんですが、このルカと言う曲から付けたんですか?
    スザンヌ ベガのルカ好きでたまに聴きます。

  3. るか。 より:

    Bluesさん、はじめまして。
    というか、もしかして他のサイトですれ違っているかもしれません。
    お名前に覚えが……。私はそれほど書き込みはしてないのですが、はにわさんのところです。
    あちらではなんとなくHNを平仮名じゃなくて英文字にしてます。(深い意味はないのですが)
    同じ時期に紫ジャケとDVDを購入とは!間違いなく同士ですね!^^
    これからもよろしくお願いしますー。

  4. るか。 より:

    トシさん、こんばんは。
    「A Degree Of Murder」を販売しているのはIMPです。
    といえば、トシさんならピンとくるかもしれませんが、googleで「HOT ROCKS RECORDS」で検索すると、一番に出てくるサイトです。
    アニタのことを悪く言うとブライアンに悪いと思ってしまう、私も同じです。
    でもキレイな女性だとは思います、スタイルもいいし。
    ブライアンの子供っていうのは、パットとの間の子供でしょうか?
    その子だったら、DVDの「The SWINGING 60's」にちょっとだけ出てきます。ブライアンにそっくり!
    でもこのDVD自体は……、真実と明らかに違う話もあって……;
    「in the beginning」の最後のページで、ブライアンが頭なでなでしている子供はブライアンの子供でしょうか??
    67年のライブですか~、いくつか持ってる中にあるかしら。
    エド・サリバン・ショーのは観たことあるのですが。
    「Sittin' On A Fence」を聴いたときに、「Ruby Tuesday」や「Hear it」のような空気を感じたんですよね。
    これもブライアンの作曲だったら嬉しいです。
    ブライアンのボーカル……、えええーーっ、堺正章さんと似てますか??思ったこともなかったので意外ですー^^;
    そういえば「A Degree・・・」の中のボーカルもブライアンらしいんですが、ほとんど聞き取れないのが悲しいです。
    でもなんとなくいい感じです。ちゃんと聞きたいです。
    「るか」というHNですが、意味もなく、なんとなく響きで考えました;
    スザンヌ ベガのルカは聴いたことないです。
    今度、チェックしてみます♪

  5. トシ より:

    るかさん、こんばんは。
    有難うございます。早速「HOT ROCKS RECORDS」にメールで注文しましたよ。楽しみです。
    アニタ綺麗とは思いますが、あまり自分は好きではないですね。どちらかと言うとマリアンヌの方がいいかな?ミックジャガーには
    もったいないですね。
    ブライアンの子供はそうです。パットの子供です。「THE SWINGING 60’s」と同じ映像です。ただ自分の持ってたビデオの方がほんの少しインタビューの時間が長かったと思います。
    このDVD少し期待してましたけどちょっとがっかりでしたね。
    「IN THE BIGINING」の最後のページのブライアンが頭撫でてる子供はブライアンの子供かどうか分かりませんね。
    でもブライアンボーダー似合ってますよね。ブライアンがボーダー着てるから自分も真似してボーダー着たりします。でも最近はみんなよく着てるんで何か嫌ですけど。
    67年のライヴは画像は67年ですが、音は65年のライヴみたいです。曲はラストタイムです。ブライアンもほんのちらっと写ります。
    他にも67年のライヴVHSで持ってますが、これは観れたもんじゃないです。素人が撮影したみたいです。でも貴重ですね。
    るかはスザンヌ ベガの曲ルカではないんですね。でもこの曲良い曲なのでお勧めです。自分は結構女性ボーカル好きなんですよね。
    これから忘年会行ってきます。それでは。

  6. るか。 より:

    トシさん、こんばんは。
    DVDのこと、お役にたててよかったです^^
    実は私もマリアンヌのほうが好きです。
    キレイだしかわいいし、上品だし。
    インタビューの言葉を読んでも、印象がいいです。
    ブライアン亡き後、倒れた(こん睡状態になった)のもマリアンヌですしね……
    今はまたソロで活躍しているのでしょうか。
    「in the beginning」の子供は女の子にも見えますね。
    ブロンドだと、ブライアンの子供かと思っちゃったりして。
    でもブライアンは結婚という形で責任はとってなくても、子供が来れば可愛がってた、って話もありますよね。
    忘年会、いってらっしゃいませ~。(って、もう終わる頃だったりして)